輝きの出会い 3
長靴の地形を持つイタリア。この国を歩いていると、たびたび美しい宝石にまつわる伝説や神話を耳にする。なかでもトスカーナ州とウンブリア州の境目に位置する小高い丘の街コルトーナでは、神話の故郷と呼ばれるに相応しい数々の魅力的な物語が今なお語り継がれている。
静寂な自然、優しい風にゆれる草花、輝く陽射しの元で絶景の田園風景を見下ろせるこの丘の上で、宝石彫刻師ルチャーノ・マリオ・ロッシ(Luciano Mario Rossi)は生まれた。
彼は創作行程の中で、確実に故郷からの恩恵を感じながら完成させていると語る。
確かに彼が仕上げるジュエリーには、神話の故郷コルトーナが持つファンタジックなエネルギーが醸し出されている。
このような魅力的な宝石を生み出す彼だが、宝石師になるまでの道のりは、意外に険しかったようだ。幼い頃から画家や彫刻家になりたかった彼に、家族は反対をしていた。その影響もあり宝石彫刻師の道を歩むまでの行程は異色だったといえよう。家族から美術学校への入学を許可してもらえず、化学技術の学校、更に農業学校へと進む。その後、生物学部で勉強するためフィレンツェに移り住んだ。フィレンツェが持つ、街のエネルギーや、街角に点在する数々の彫刻が再び彼に美術を目覚めさせたようだ。生物の勉強を中断し、独学で木材を使った彫刻家として活動をはじめた。やがてフィレンツェで小さな装飾品のモデレーターをはじめるようになり、宝石師としての本領を発揮する事となる。彼が生み出す全てのジュエリーは1つ1つが手作業で彫り込まれた単品ばかり。ジュエリー界では、特に美術作品としての宝飾評価を受け、紅玉髄、碧玉、エメラルド、ルビー、サファイアにカメオと、あらゆる荘厳な宝石たちの語らいをかたちにしている。
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